第1章「デジタルについて」

まず、「デジタル」について改めてご説明します。

最近の麻雀戦術は大きく分けて2つ。「デジタル」「オカルト」がある。

オカルト」…経験則重視で理論的に証明できないことも取り入れる。
デジタル」…「牌効率」や「期待値」に基づき、点数状況・場況で判断する。

では、その2者の大きな違いとは何か?
一つに「ツキ」という考え方がある。


例えば、Aさんが次の手牌でリーチをかけたとする。
Aさん:
いわゆる5面張待ち。すぐにあがれると判断したのだが、
ココでBさんが追いかけリーチをし、
Bさん:
Aさんは一発でをつかんだ。(カンできないので振込み)
河に関連する牌が捨てられてないとして、Aさんの待ち牌は14枚。
それに対してBさんはたったの1枚。単純計算でこのカンが勝つ確率は
14分の1。このような状況を「ツイてない」という感想を持つ。


また、次の手牌で、受け入れ枚数を考えてペンチャンを嫌ったところ、

すぐにをツモ。その後をひいてリーチをかけるが逆に振込み。
を嫌っていれば一発であがっていたのだが、実はこのような裏目は
単純計算で3回に1回は起こる。このような状況も「ツイてない」と思う。



で、「デジタル」でも「オカルト」でもこのような状況はやはり「ツイてない」と表現する。
では違いはなにか?解釈である。
「デジタル」は「この局はツイてなかった」と考えるのに対して
「オカルト」は「今、ツイてない状態だ」と捉える。
手順通り打った末の悪い結果なのだが、「デジタル」はそれを単なる結果だと受けとめ、
「オカルト」はそれを今後も引きずる現象だと受けとめる。
その結果、次からはあえてリャンメンを嫌ったり、自分勝手な考えで正しい手順から
はずれていく。


そして、そうした「ツキ」の連続が「流れ」になり、「オカルト」はそれをたよりに
打ち進める。それとは逆に「デジタル」は、ひとつの結果を次の結果予測に結び
つけることはしない。根拠レスだから。このように実証不可能なことを戦術に取り
いれないのが「デジタル」の基本的考え方である。